リベラルアーツ

積立保険と金融リテラシーが低かった僕

まいど、パパ寿郎です。

これまで、蓄財について自分なりに学んだ内容をシェアしてきましたが、今日は蓄財初期の実体験をシェアしたいと思います。積立保険を例にしていますが、積立保険自体が良いとか悪いとかを言いたいのではなく、自分自身の金融リテラシーの低さを痛感したこと、それによって何を学んだか、を書いていきたいと思います。

収入と支出、資産についての理解

まず、金融リテラシーを勉強する前の僕の収入、支出、資産に対する捉え方はこんな感じでした。

「今は普通に暮らしているだけで赤字生活。仕事の飲みも多いけど、今はそれも大事な時期。何れ収入は増えて行くから問題ない。でも子供の大学費用で困らないように最初から計画的に積み立てておこう。口座にお金があるとついつい使ってしまうので、積立保険で強制引き落としとしておけば、元本は保証されるし、銀行においておくよりまともだろうから、一人ずつ積立保険に加入しよう。投資は元本が保証されていないし、自分には博才がないから、投資は一般NISAの枠内だけにしておこう。少額だったら大した配当ももらえないし、魅力も小さい。」

非常に恥ずかしい思考回路ですが、これが偽らざる実態でした。全て後悔している訳ではありませんが、今考えれば「浅い、浅すぎるよ君!」 というレベルでした。学ぶ時間と何をどう学ぶか、を理解していなかったので仕方ないと言えば仕方ないのですが、金融マンからしたらいいカモだったと思います。

このままでいいのかな、と思っていながらも何から手を付ければよいか分からず、日々忙殺されている所にコロナが来て、右肩下がりはないと思っていた収入が下がり、これが続くと本当に生活できないところまできてやっと真剣に考え始めた、というのが金融リテラシーを学び始めたきっかけです。そこから1年色々学んで、こうやって今はブログを書いているたわけですが、そのあたりの詳細は過去の記事に書いてあるので、もしご興味がある方は見て頂ければと思います。

具体的な思考の誤りと変化点

今日は積立保険という商品を通しての過去の思考と、何が変わって、何が得られたのか、を書きたいと思います。先に結論を言うと、支出を見直す中で、積立保険に加入した目的の再確認、固定費の高さ、代替手段を検討した上で、解約しています。

まず積立保険加入時の頭の中はこんな思考になっていました。

  • 資金拘束が自分にとって重要だと考えていた
  • 貯金、保険、投資をごちゃまぜにしていた
  • 利回りと予定利率、積立利率について違いと計算方法を理解していなかった
  • 元本保証(倒産は除く)の点で、預金か積立保険という選択肢しかもっていなかった
  • 投資に対する考え方を誤っていた

僕と同じような境遇の人がいれば、是非参考にしてもらえれば嬉しいです。一つずつ見ていきましょう。

資金拘束(使えないお金)が自分にとって重要だと考えていた

今までいくつかの記事で、困難を分割しよう!とか必要額計算しよう!とか書いてきましたが、この重要性を何度も書いているのは、僕自身全く出来ていなかった反省でもあります。

収入(税金も含む)及び支出、特に支出側について、頭の中でざっくりと考えていただけで、全体像を計算をすることを怠っていました。今は筋トレのおかげで収支をしっかり把握出来るようになりました。支出を管理するのではなく、必要分だけ外にだして、残りで生活すれば良いとして、残りの部分に目を向けず、結果赤字家計が常態化していました。

支出をしっかり整理していく過程で、積立保険の固定費の高さ(2万円×3人分)占める事が浮き彫りとなり非常に重荷になっていること、これからも長きにわたりこの問題が続くことが理解出来ました。収入の上がり方がほぼ決まっているとすると、大きな固定費を改善しない限り家計は楽になりません。

ここでの最大の学びは資金拘束が重要という思考=支出を自分でコントロールすることから逃げていた、ことに気づいたことです。収支がコントロール出来るようになれば、この目的における資金拘束することに意味はなくなります。逆に資金拘束期間の長さが、自由度をなくします。

一方で、今辞めると解約返戻金が大きくマイナスするので、直ぐに解約に手をつけることは出来なかったのも事実ですが、これは後述する利回りと投資を理解することで「現状維持バイアス」から脱出しました。

貯金、保険、投資をごちゃまぜにしていた

冒頭の僕の思考回路を読んで、気づいた人もいると思いますが、僕は積立保険に貯金と投資を求め、保険という意味を真に理解していませんでした。積立保険に「貯金より資産は増えるし、良いだろう。」と投資視点を持ち込んでしまっていたのです。また、保険=安心・安全な商品という思い込みもありました。保険のそもそもの目的は「確率が低いことが起きた時に、自分や家族が金銭的に困らないようにするお守り」なので、積立保険自体が運用を目的とした商品となっており、選択肢として間違っていたわけです。困難を自分で呼び寄せていて、全く分割出来ていない状態でした。混ぜるな危険を混ぜまくって爆発していました!

僕は子供の大学資金を貯めたかったのですが、もっと先を見て老後に使える貯蓄も一緒に考えてしまったのが良くなかったと思います。

利回りと予定利率、積立利率について違いと計算方法を理解していなかった

これも大きな反省点です。利回りについてしっかりと考えてなかったです。ここを正確に理解したこと、他の投資商品を知ることによって、今辞めたら解約返戻金のマイナスは損になる、もったいないし辞めたくないという現状維持思考から、授業料と自分の中で腹落ちさせられる、と考えられるようになりました。その為に支払った授業料は決して小さくなかったですが。。。

収支コントロールによって貯金が出来るようになれば、積立保険に求めるのは投資商品としてどうか?の1点につきます。ではそれは何かというと「利回りがどうか」ということです。

積立保険で一般に紹介されるのは、積立利率や、予定利率であり、簡単にいうと支払う保険より小さい部分に対して保障される利率です。一方利回りは総額に対してのリターンです。全くステージが異なるものを比較して、1.〇〇%のようなお予定利率だけをみて、銀行よりいいんじゃない、と考えていました。正に狙い通りのカモですね。実際僕が入っていた保険の利回りをちゃんと計算してみると、返礼率が100%を超える年の利回りで0.4台%程度、低いものだと0.1%台もありました。運用益が非課税となる最大年数で見ても、1%には全然到達せず、そこまでの資金拘束期間は20年以上。。。色々条件はありますが、これなら10年物の定期預金の方が金利が高いものもあります。ちなみに利回りは以下の計算式ですので、是非検討されている方は計算してみてください。

利回り(%) = 収益額 ÷ 投資金額 ÷ 投資年数 × 100

収益額: 保険金総額(解約返戻金) ー 支払った保険料の総額

投資金額: 支払った保険料総額

例えば、20年で300万の保険料払込で、解約時の保険金が310万円だとすると利回り0.17%という計算です。手数料どんだけ~です。

元本保証の点で、預金か積立保険という選択肢しかもっていなかった

次に選択肢が狭かった、という思考についてです。大前提として当時の僕は金融でリスクをとる=博打 という意識があって、元本保証という「安心」をキーワードの中で物事を考えていました。

今なら、元本保証として、10年物国債等も無リスク資産として選択肢に入る訳ですが、そもそもリスクをとる=博打 という考え方を投資を勉強する中で考えを改めたこと、「安心」というキーワードこそが相対的に割高であること、に気づきました。選択肢が多いと選ぶのに迷うわけですが、初めから選択肢を拡げようとしなかったのは、そもそもスタートラインに立っていなかったと思います。

投資に対する考え方を誤っていた

最後は投資に対する考え方です。元本が保証されていないもの=博打 よって投資も博打の一種だと思っていましたが、リスク×時間の概念を導入することによって、平均化され(もちろん商品を間違えない前提ですが)、マイナスの確率が下がっていく、というのは分かっていたようで分かっていませんでした。

僕は時間と金額を固定することで元本を守ろうとしていたわけですが、金融資本を使ってお金に働いてもらって増やす、という考え方は持っていませんでした。寧ろそんなこと出来るのがおかしいと思っていたくらいですが、資本主義について無知だったんだと反省しています。当然、長期間のリスクが減るからといって元本は保証されないし、過去の利回りが未来でも約束されるわけでない事も合わせて理解はしていました。

金融資本に時間の概念を導入しつつ、人的資本もしっかり鍛えることで、時間を味方にして伸ばして行くことでリターン側に十分持っていける、と考えられるようになりました。尚、コロナ禍においても今働いている会社がすぐ潰れることはない、というのは今の自分にとってはメリットであると言えます。また、過去を見れば低コストのインデックスファンドに投資すれば、どれだけ低く見積もっても15年以上(そもそもが子供の大学費用の前提)で平均2%以上は取れるでしょうから、先の積立保険の利回りと比較すると差は一目瞭然です。

失ったもの、得たもの

と、色々書きましたが、ここで考え方を修正出来たことは本当に僕にとっては大きい気づきと学びでした。返戻金は多少は戻ってきていることから、すべてゼロになったわけではありません。100万円近いお金は失いましたが。。。(これが飲み会と違うところ!笑)

特に、大前提として「自らの収支把握とコントロールしにいくこと」 が得たものの中で大きかったと思います。やはり土台は 収入ー支出 ですから、ここが出来ていないと他の考え方はただの知識で、実戦出来ないからです。

そして、3人のお姫様のやりたいことをお金の面で叶えられる父親でいること。やっぱり目的はここなので、そこに向かってうまく貯金や投資といった手段を利活用していきたいと思います。

まとめ

今日は積立保険を通して、失ったもの、学んだこと・得たものをシェアしました。冒頭にも書きましたが、積立保険自体が良いとか悪いとかではなく、自分の金融リテラシー不足を痛感した一事例として捉えて頂ければと思います。目的を達成する手段は複数あり、その選択肢を認識して選べる出来る状態にもっておきたいものです。

学びをもらった各書籍やYoutube動画に感謝しかありません。金融リテラシーについて、まだまだ初心者ですが改めて振り返ってみると、確実に筋肉はついてきてると思います。僕は怪我して気づいてやり直しましたが、怪我しなくて良い所はする必要はないので、自分の目的に合わせて、積立保険に向き合ってもらえればと思います。

この記事を読んで、少しでも参考になれば嬉しいです。

ほなまた。